2023-08-17 味噌汁 実家に帰ると、猫が小さくなっていた。 心臓が大きくなっていた。 月の裏側は冬だと思う。 雪が降っているから。 サンドイッチを食べたり、味噌汁を飲んだりした、女の人生。 ラブホテルの屋上には、割れたコンクリートの隙間から、小さなユリが咲いていて、それを握っていると、宇宙へ飛んでいった。 この街は味噌汁の中だと思った。 この宇宙の中には夜があり、そして、びっくりすることに、朝がある。 そして、味噌汁というものは、いつも朝の光に照らされている。